2019年08月24日
超人ロック
高校時代はロックであった。
ロックといっても超人ロックである。
近くの学校の学園祭で超人ロックを教えてもらってから、放課後はほぼ毎日仲間と超人ロックを遊ぶのが日課であった。
そんな超人ロックが昨年再販されたこともあり、少しばかりこのゲームの紹介をしてみたい。
超人ロックのゲームテーマは“宇宙のどこかに造られた悪の秘密基地を巡る戦い。”である。超人ロックを中心としたgoodプレイヤーはその秘密基地を破壊することを目的とし、対するevil側はそれを阻止することを目的とする。他に登場するspecialは独自の勝利条件を目指す。
このゲームは二部に分かれていて、第一部では宇宙のどこかに存在するevilの秘密基地の情報を入手することを目的とし、第二部では探し出した秘密基地の重要拠点をめぐる(破壊するか死守するか)戦いである。
また、このゲームは正体隠匿系ゲームであり、ゲーム開始時には誰がどのキャラクターを担当しているのかわからない。
このゲームはまず、自らのシュルエット選びからはじまる。シュルエットとは自らの正体とは別に全プレイヤーに公開する表の顔であり、そこでゲームの役割が決まる。evilのシュルエットを選んだプレイヤーは基地キャラクターとなり、第一部の盤上には登場しない。evilキャラクターは秘密基地の場所を知っているため、秘密基地の情報を収集する必要がないのである。第一部の盤上には登場しないが、途中待ち伏せをし、秘密基地の情報を探ろうとするキャラクターを攻撃することが可能である。
基地プレイヤーでなければ秘密基地の情報を探ることになる。様々な惑星を探索し、秘密基地の情報を手に入れるとともに、いくつかのイベントに出会う。
この時に自らの正体がevilであってもgoodの顔を選んでも良い。また逆もしかりである。ただ、12分の2の確率で自分の正体と同じシュルエットを選ばないといけず、偶然同じシュルエットを選んでしまった者同士が鉢合わせた場合は必然的に戦闘が起こる。
例えば、evilでありながらgoodのシュルエットを選んだ場合は、evilでありながら秘密基地を探し、しかし最後にはgoodを出し抜くプレイが必要となる。
このゲームは正体隠匿ゲームであるとともにキャラクターゲームでもある。キャラクターには個別のパラメータが振られており、その能力と個別の特殊能力を見て相手の正体を推理することとなる。各キャラクターはESPレベル、ESPパワー、耐久力、精神力、特殊能力を持っている。ESPレベルとは、戦闘時にそのレベルまでのESPカードを使える能力である。ESPパワーとはESPを使用できる総数である。パワー30の場合、ESPレベル5の能力を使うとパワーが5減る。次にESPレベル3を使うと残りパワーは30-5-3で残り22となる。パワーが0になるとESP能力は使えない。パワーは一連の戦闘が終了すると元に戻る。耐久力は自らのライフであり、攻撃を受けるとダイス目によりダメージを受ける。ダメージを受け、耐久力が0になるとゲームから脱落する。耐久力は1ターン休めば1回復する。精神力とはイベント等により精神力チェックが要求されることがあり、その場合は2D6で精神力以下が出れば成功となる。また、戦闘時などで精神力チェックに成功すればESPレベルを1あげることが出来る。例えば精神力9であれば2D6で9以下を出せばESPレベルが1あがる。特殊能力はキャラクター個別の能力であり、その能力を使えばそのキャラクターの正体がほぼ判明する。
ただ、能力については自分の能力以下の数値を宣言しても良い。たとえば、超人ロックの場合ESPレベルは最高の6である。ただし、ESPレベル6だからといってESPレベルを6と宣言する必要は無い、あえてESPレベル4と宣言して自らの正体を隠すことが可能である。また、自らの行動によっても正体を隠すことが可能である。正体がevilであってもほとんどの行動をgoodとして行動することで、周りにgoodとして認識させることもできる。能力を騙ることができること、キャラクターの行動も自由にできることからこのゲームは他の正体隠匿系ゲームよりも自らの正体を隠しやすい。このことが土壇場でのドラマを演出することになる。例えば、今までサポートキャラクターだと思っていたキャラクターが最後の戦闘で突然ESPレベル6の光の剣を使用しevilプレイヤーを殲滅する。また、evil側の基地、重要拠点を多数破壊し、goodキャラクターのエースだと思っていたキャラクターが、最後の場面でevilだと正体を明かす。思いもよらなかったどんでん返しは否応もなくゲームを盛り上げる。意外性と意外性を演出できるワクワク感が、超人ロックにふんだんに盛り込まれている。
そしてさらに、このゲームにはイベントチャートがある。よく使われるルールとして“実はそこいたチェック”がある。どこかで戦闘がはじまると2dを振りダイス目によっては実はそこにいて戦闘に参加出来るのである。さっきのターンまで全く別の星にいたとしても実はそこにいたのである。“弱っている相手を確実に倒せる”と思って戦闘を仕掛けたら実は自分が敵に囲まれていた…なんてことは良くある。面白そうだから戦闘に参加したら、宇宙を揺るがす大戦争に発展した…なんて事も良くある。そして、戦闘時にダイスで極端な目が出ると、また何かが起こる。仲間だったはずのキャラクターが敵になったり、戦場に惑星を破壊するような爆弾が降ってきたり…何が起こるかはチャートを見てもらうとして、ほとんどが理不尽で、かつ面白い。
さて、戦闘が起こるとかなりの頻度でプレイヤーが亡くなる。弱いキャラクターは弱いし、強いキャラクターでも敵から集中攻撃を受けたり、ダイス目が悪いと死んでしまう。キャラクターが死んでしまうとゲームから脱落する。しかし、このゲームは死んでもゲームに参加出来る。どこかで戦闘が起きると、実は生きていたチェックができるのである。このチェックでピンゾロを出すと死んだはずのキャラクターは実は生きており、ゲームに復帰できる。ピンゾロでなくともそれに近い数字だと自らの残留思念で誰かを攻撃できる。勝ちパターンをつくり、敵をどんなに追い詰めたとしても極めてまれにすべてを吹き飛ばすイベントが発生する。
超人ロックとは、正体隠匿系のキャラクターゲームであるが、ゲームの途中で出会う理不尽なイベントもゲームに華を添える。相手の正体を見極め「勝ったな!」と思っても時に、何かが起きる。
ただ、超人ロックは古いゲームである。時が経って、自分自身いくつか別の正体隠匿系ゲームをプレイしてみると「超人ロック」の荒さにも気づくこととなった。ルールには矛盾が多く、冗長的で戦闘時のダウンタイムも長い。ゲームバランスは良いとは言えず、さいころの目次第では完全に崩れる。しかし、「超人ロック」は最高に面白い。どこかのタイミングで遊んでみたいなと思っている。
ロックといっても超人ロックである。
近くの学校の学園祭で超人ロックを教えてもらってから、放課後はほぼ毎日仲間と超人ロックを遊ぶのが日課であった。
そんな超人ロックが昨年再販されたこともあり、少しばかりこのゲームの紹介をしてみたい。
超人ロックのゲームテーマは“宇宙のどこかに造られた悪の秘密基地を巡る戦い。”である。超人ロックを中心としたgoodプレイヤーはその秘密基地を破壊することを目的とし、対するevil側はそれを阻止することを目的とする。他に登場するspecialは独自の勝利条件を目指す。
このゲームは二部に分かれていて、第一部では宇宙のどこかに存在するevilの秘密基地の情報を入手することを目的とし、第二部では探し出した秘密基地の重要拠点をめぐる(破壊するか死守するか)戦いである。
また、このゲームは正体隠匿系ゲームであり、ゲーム開始時には誰がどのキャラクターを担当しているのかわからない。
このゲームはまず、自らのシュルエット選びからはじまる。シュルエットとは自らの正体とは別に全プレイヤーに公開する表の顔であり、そこでゲームの役割が決まる。evilのシュルエットを選んだプレイヤーは基地キャラクターとなり、第一部の盤上には登場しない。evilキャラクターは秘密基地の場所を知っているため、秘密基地の情報を収集する必要がないのである。第一部の盤上には登場しないが、途中待ち伏せをし、秘密基地の情報を探ろうとするキャラクターを攻撃することが可能である。
基地プレイヤーでなければ秘密基地の情報を探ることになる。様々な惑星を探索し、秘密基地の情報を手に入れるとともに、いくつかのイベントに出会う。
この時に自らの正体がevilであってもgoodの顔を選んでも良い。また逆もしかりである。ただ、12分の2の確率で自分の正体と同じシュルエットを選ばないといけず、偶然同じシュルエットを選んでしまった者同士が鉢合わせた場合は必然的に戦闘が起こる。
例えば、evilでありながらgoodのシュルエットを選んだ場合は、evilでありながら秘密基地を探し、しかし最後にはgoodを出し抜くプレイが必要となる。
このゲームは正体隠匿ゲームであるとともにキャラクターゲームでもある。キャラクターには個別のパラメータが振られており、その能力と個別の特殊能力を見て相手の正体を推理することとなる。各キャラクターはESPレベル、ESPパワー、耐久力、精神力、特殊能力を持っている。ESPレベルとは、戦闘時にそのレベルまでのESPカードを使える能力である。ESPパワーとはESPを使用できる総数である。パワー30の場合、ESPレベル5の能力を使うとパワーが5減る。次にESPレベル3を使うと残りパワーは30-5-3で残り22となる。パワーが0になるとESP能力は使えない。パワーは一連の戦闘が終了すると元に戻る。耐久力は自らのライフであり、攻撃を受けるとダイス目によりダメージを受ける。ダメージを受け、耐久力が0になるとゲームから脱落する。耐久力は1ターン休めば1回復する。精神力とはイベント等により精神力チェックが要求されることがあり、その場合は2D6で精神力以下が出れば成功となる。また、戦闘時などで精神力チェックに成功すればESPレベルを1あげることが出来る。例えば精神力9であれば2D6で9以下を出せばESPレベルが1あがる。特殊能力はキャラクター個別の能力であり、その能力を使えばそのキャラクターの正体がほぼ判明する。
ただ、能力については自分の能力以下の数値を宣言しても良い。たとえば、超人ロックの場合ESPレベルは最高の6である。ただし、ESPレベル6だからといってESPレベルを6と宣言する必要は無い、あえてESPレベル4と宣言して自らの正体を隠すことが可能である。また、自らの行動によっても正体を隠すことが可能である。正体がevilであってもほとんどの行動をgoodとして行動することで、周りにgoodとして認識させることもできる。能力を騙ることができること、キャラクターの行動も自由にできることからこのゲームは他の正体隠匿系ゲームよりも自らの正体を隠しやすい。このことが土壇場でのドラマを演出することになる。例えば、今までサポートキャラクターだと思っていたキャラクターが最後の戦闘で突然ESPレベル6の光の剣を使用しevilプレイヤーを殲滅する。また、evil側の基地、重要拠点を多数破壊し、goodキャラクターのエースだと思っていたキャラクターが、最後の場面でevilだと正体を明かす。思いもよらなかったどんでん返しは否応もなくゲームを盛り上げる。意外性と意外性を演出できるワクワク感が、超人ロックにふんだんに盛り込まれている。
そしてさらに、このゲームにはイベントチャートがある。よく使われるルールとして“実はそこいたチェック”がある。どこかで戦闘がはじまると2dを振りダイス目によっては実はそこにいて戦闘に参加出来るのである。さっきのターンまで全く別の星にいたとしても実はそこにいたのである。“弱っている相手を確実に倒せる”と思って戦闘を仕掛けたら実は自分が敵に囲まれていた…なんてことは良くある。面白そうだから戦闘に参加したら、宇宙を揺るがす大戦争に発展した…なんて事も良くある。そして、戦闘時にダイスで極端な目が出ると、また何かが起こる。仲間だったはずのキャラクターが敵になったり、戦場に惑星を破壊するような爆弾が降ってきたり…何が起こるかはチャートを見てもらうとして、ほとんどが理不尽で、かつ面白い。
さて、戦闘が起こるとかなりの頻度でプレイヤーが亡くなる。弱いキャラクターは弱いし、強いキャラクターでも敵から集中攻撃を受けたり、ダイス目が悪いと死んでしまう。キャラクターが死んでしまうとゲームから脱落する。しかし、このゲームは死んでもゲームに参加出来る。どこかで戦闘が起きると、実は生きていたチェックができるのである。このチェックでピンゾロを出すと死んだはずのキャラクターは実は生きており、ゲームに復帰できる。ピンゾロでなくともそれに近い数字だと自らの残留思念で誰かを攻撃できる。勝ちパターンをつくり、敵をどんなに追い詰めたとしても極めてまれにすべてを吹き飛ばすイベントが発生する。
超人ロックとは、正体隠匿系のキャラクターゲームであるが、ゲームの途中で出会う理不尽なイベントもゲームに華を添える。相手の正体を見極め「勝ったな!」と思っても時に、何かが起きる。
ただ、超人ロックは古いゲームである。時が経って、自分自身いくつか別の正体隠匿系ゲームをプレイしてみると「超人ロック」の荒さにも気づくこととなった。ルールには矛盾が多く、冗長的で戦闘時のダウンタイムも長い。ゲームバランスは良いとは言えず、さいころの目次第では完全に崩れる。しかし、「超人ロック」は最高に面白い。どこかのタイミングで遊んでみたいなと思っている。
Posted by おぎや at 01:35│Comments(0)